めがねぱぱ
6 分
私たちが毎日誰かと関わる中で、「この人とは話しがあうなぁ」とか「この人とはなんか合わないなぁ」とか「この人は私を分かってくれる」とか「この人は何度言っても分からないなぁ」なんてこと一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
すでに分かっていらっしゃる方もいると思いますが、私たちが日常出会う問題のほとんどは、コミュニケーションがうまくいかないことが、その問題のベースとなっています。
意見が合わない相手でも、意見を聴いてもらえるような言葉がけができるようになったらいいと思いませんか?
好き嫌い、性格が合う合わないで、人を判断する代わりに、相手を理解し、相手に合わせたり、相手の行動や、反応を変えるような関わり方ができる方法。そんな方法にがあるのなら、知りたいですよね?
ミスコミュニケーション、好き嫌いの感情の要因を理解して、相手を尊重して理解できるようになったら、私たちの人生はどれほど柔軟性に富んだ豊かなものになるでしょうか。人生の景色が変わると思いませんか?
その方法というのが、これからお伝えするNLPのメタプログラムです。
メタプログラムとは何か?、
それは私たちが情報や出来事など、何かに注意を払うときに無意識に使っている心のフィルターのことです。
私たちは情報や出来事に接したときに、それをそのまま受け取っているわけではありません。私たちは、無意識のうちに受け取った情報を心のフィルターをとおして、一部を削除したり、捻じ曲げて解釈したり、すべてに当てはめて一般化しながら情報を受け取ります。
それは、私たちの意識が一定の時間内で処理できる情報量が限られているからです。
NLPの前提に「地図は領土ではない」という言葉があるように、人が領土について地図を書く時、領土(土地そのもの)をそのまま地図にすることはできません。領土という現実世界の情報を、自分の中で削除したり歪曲したり一般化したりすることで地図を書くのです。
人の体験についても、同じようなことがいえます。出来事すべてをそのまま体験するのではなく、削除したり歪曲したり一般化したりして体験するんです。
そのときに、メタプログラムというフィルターを通すことになるのです。
記憶には意識できるものと、出来ないものがありますが、自分自身のメタプログラムは全く意識することができません。つまり無意識のプログラムです。メタプログラムの基本概念の多くは、ユングのタイプ論に由来しています。ユングは人をタイプ別に分類し、その個性や行動を予測しようとしました。
このユングの研究はイザベル・ブリックス・マイヤーズによって引き継がれ、長い研究の末、今や世界中の企業や政府に最も広く利用されている、性格検査「MBTI」が開発されました。
そして、MBTIはメタプログラムの土台となり、4つの基本的メタプログラムと60にも及ぶといわれている複合的メタプログラムを形成しています。
ここで、いくつか注意していただきたいことをお伝えします。
まず、メタプログラムにおけるタイプ分けには「良い」「悪い」という考え方はないということです。あるタイプが、対応する別のタイプに対して好ましくないなどの判断はありません。
メタプログラムを知る目的は、その人の使うフィルターのカテゴリーごとの傾向を把握して、人生をより良い方向へ向かわせることにあります。
また、その人の傾向を見極めるために質問をする際には、コンテクスト(状況)決めることを忘れないでください。メタプログラムはその時の感情的な状態の結果として用いられるもので、心理学的には役割性格(ペルソナ)にアプローチするものです。役割性格は時間やコンテクストの移り変わりによって変化していくものであるということを覚えておいてください。仕事と家庭ではメタプログラムの用い方は異なってきます。リソースフルな状態とそうでない状態でも同様にメタプログラムの用い方は異なってくるのです。
最後に、その人の振る舞いとその人自身を区別することも大切です。この二つは決して同じではありません。ある状況で大失敗をしてしまったからと言ってその人自身がダメな人間であるということにはならないのです。
メタプログラムを理解し、そこに働きかけることで私たちは彼らの手助けができるようになり、自らの柔軟性も高めることができるようになります。
メタプログラムのカテゴリーにはどのようなものがあるのか?先にも書いたように、メタプログラムには、4つの基本的メタプログラムと60にも及ぶカテゴリーがあるため、ここでは基本的メタプログラムから「方向性のフィルター」についてご説明します。
【 方向性のフィルター 】
方向性のフィルターとは、その人の価値観や、その人にとって大切なものに関係するフィルターです。
方向性のフィルター 2つのタイプ
「目的追求型」
報酬や成果など、魅力を感じるもの、自分の望むものの方向へ動こうとする心のフィルターです。
「問題回避型」
懲罰や、リスク、嫌悪を感じるものなど、自分の望まないものから逃れようとする心のフィルターです。
人の方向性は、目的追求型か問題回避型かのどちらかに強く出る傾向があるといわれています。
方向性について、その人の傾向を見極めるための質問
「あなたは○○に何を求めますか?」
「○○の何があなたにとって大切ですか?」
○○には仕事、人間関係、人生など具体的なコンテクストが入ります。
質問に対する答えからタイプを判断します。
目的追求型
質問に対し、手に入れたいもの、達成したいことなどについて答えます
回答に現れる言葉の例:~するために、~したい、達成する、手に入れる、~できるようになる、など。
問題回避型
質問に対し、自分の望まないもの、避けて通りたいものについて答えます。
回答に現れる言葉の例:~しないように、~を避けるために、逃す、~にならないように、など
また、質問に対する回答には「名詞化」が数多く用いられます。名詞化とは「コミュニケーション」「人間関係」「自由」のように動詞や形容詞を対応する名詞に転換することです。
この名詞化された部分にこそ、その人の価値観が現れています。
それは、目的追求型の価値観かもしれませんし、問題回避型の価値観かもしれません。あるいは両方の要素を含んでいる可能性もあります。
このフィルターからわかる傾向は何なのか?
目的追求型
このタイプは目標を達成することや、得たいものを手に入れようとするなど、自分の望みに向かうときに意欲を高めます。仕事で目的追求型の意欲を高めるためには「目標」や「インセンティブ」など、ムチではなくアメを与えることです。
問題回避型
問題回避型の人は問題やリスクの発見・回避・解決に意識を向けます。仕事でこのタイプをやる気にさせたいのなら、「~しなかったら大変なことになるぞ」とか「トラブルにならないように」などのリスクを避ける言葉がけが有効です。
会話の中から使っている心のフィルターを読み取って、相手を理解し、適切な言葉がけによって相手への影響力を高める心理技術。これがNLPのメタプログラムです。
メタプログラムを理解することで、日常生活や仕事でのコミュニケーションが格段にうまくいくようになります。プレゼンテーションやコピーライティング、面接など、様々な場面で活用することも可能です。
誤解や行き違いによるミスコミュニケーションを避け、相手に対する影響力を高めたいのであれば、メタプログラムを学ぶことは大きな助けとなることでしょう。
そして、メタプログラムは、より実践的で使いやすい言語ツール「LABプロファイリング」として発展していきます。