ギバー・テイカー・マッチャーとは?人間関係が劇的に変わる3つのタイプと心理メカニズム
- めがねぱぱ

- 1月18日
- 読了時間: 12分
目次
1. はじめに:なぜ人間関係で疲れてしまうのか
「また頼まれごとを断れなかった」
「いつも損ばかりしている気がする」
「ギブアンドテイクって言うけど、全然釣り合ってない」
こんな風に感じたこと、ありませんか?
人間関係の悩みって、本当に尽きないものです。
職場でも、家庭でも、友人関係でも。
どうして人付き合いはこんなに難しいんでしょう。
実は、その答えのヒントが「ギバー・テイカー・マッチャー」という概念にあるんです。
これは、アメリカの組織心理学者アダム・グラントが提唱した人間の行動タイプの分類。彼の著書「GIVE & TAKE」は世界的なベストセラーになりました。
でも今日お伝えしたいのは、単なる分類の話じゃありません。
もっと深くて、もっと実践的な話です。
実はこの3つのタイプを理解すると、人間関係のモヤモヤが驚くほどクリアになるんですよ。
2. ギバー・テイカー・マッチャーの基本を理解する
まず、基本的な定義から見ていきましょう。
【ギバー(Giver)】
与える人。人のために何かをすることに喜びを感じるタイプです。
見返りを求めずに助ける、そういう人たちですね。
【テイカー(Taker)】
受け取る人。自分の利益を最優先に考えるタイプ。
人から何かを得ることにフォーカスしています。
【マッチャー(Matcher)】
バランスを取る人。ギブアンドテイクを重視するタイプ。
与えた分だけ返ってくることを期待する人たちです。
さて、ここで質問です。
あなたは、どのタイプだと思いますか?
「私はギバーかな」と思った方、ちょっと待ってください。
実は、この分類はもっと奥が深いんです。
3. 時間軸で見る3つのタイプの決定的な違い
ここからが重要なポイントです。
この3つのタイプの本当の違いは、「時間軸」にあります。
つまり、ギブとテイクの順番と、その間の時間の感覚なんです。
テイカーの思考回路は「テイク・アンド・テイクン」。
まず自分が得ることが目的です。そのために必要なら、人に何かを与えることもある。でもあくまで手段なんですね。目的は自分の利益です。
マッチャーは「ギブ・アンド・テイク」。
でもこれ、私たちが普通に想像するギブアンドテイクとは少し違います。
マッチャーの頭の中には、常にバランスシートがあるんです。
「これだけしてもらったから、これだけ返さなきゃ」
「これだけしてあげたから、これくらい返ってくるはず」
まるで簿記の帳簿のように、貸方借方をいつも意識している。ギブとテイクの間に、あまり時間的なズレがないんです。
では、ギバーはどうでしょう。
ギバーは「ギブ・アンド・ギブン」。
まず与える。
その時点では、見返りなんて考えていません。
そして結果的に、思いがけないところから、思いがけない形で、思いがけないタイミングで、何かが返ってくる。
この「時間的な鷹揚さ」が、ギバーの大きな特徴なんですね。
テイカーやマッチャーは「記録」を残します。
誰に何をしてあげたか、誰から何をしてもらったか。
細かくノートに書き留めている感じです。
でもギバーは違います。
ギバーのノートに書かれているのは「いい思い出」だけ。
そして面白いことに、ギバーに何かをしてもらった人のノートには、それが克明に刻まれているんです。
ギバーは自分では覚えていないけど、周りの人たちがしっかり覚えている。これが、時間をかけて、思いがけない形で返ってくるんですね。

4. なぜギバーになろうと「頑張る」必要はないのか
ここで、とても大切なことをお伝えします。
「ギバーになろうと頑張る必要はない」
これ、意外に聞こえるかもしれません。
でも、これが核心なんです。
なぜか。
実は、人間は本来ギバーだからです。
赤ちゃんのときはテイカーですよ。
当然ですよね。
生きるために、周りから与えてもらう必要がある。
でも成長するにつれて、人は自然とギバーになっていくんです。
小さな子どもを見てください。
友達におもちゃを貸してあげたとき、すごく嬉しそうな顔をするでしょう?
誰かが喜ぶことが、自分の喜びになる。
これが人間の本性なんです。
問題は、社会や環境が、私たちをテイカーやマッチャーにしてしまうこと。
「世の中は競争だ」
「損をしたくない」
「公平じゃないと納得できない」
こういった考え方が、本来のギバーとしての自分を覆い隠してしまうんですね。
だから、「ギバーになろう」と頑張るんじゃない。
本来の自分に戻るだけでいいんです。
現代社会は、ギバーにとって難しい環境になっています。
スマートフォン、SNS、インターネット。これらは、即座に反応を求めます。メッセージを送ったら、すぐに返事が来る。投稿したら、すぐに「いいね」がつく。
この「即効性」が、私たちから「時間的な鷹揚さ」を奪っているんです。
でも、本当に大切なものは、時間をかけないと育ちません。人間関係も同じです。
5. 2種類のギバー:自己犠牲型と他者志向型
ギバーには、実は2種類いるんです。
この違いを理解することが、とても重要です。
【自己犠牲的なギバー】
人のために尽くしすぎて、自分が疲れ果ててしまう。
いつも燃え尽きている。こういう状態です。
「ノーと言えない」
「断ると嫌われる」
「自分のことを優先するのは自己中心的だ」
こんな信念を持っていることが多いんですね。
【他者志向のギバー】
人のために行動しながら、自分も満たされている。
境界線を持っていて、無理なく与え続けられる。
これが成功するギバーです。
この違いは何でしょうか。
それは、「自己利益」と「他者利益」を、どう捉えているかなんです。
6. 自己利益と他者利益は本当に対立するのか
多くの人は、この2つをトレードオフだと思っています。
人のためになることをすれば、自分が損をする。
自分の利益を追求すれば、人に迷惑をかける。
でも、本当のギバーは違うんです。
本当のギバーにとって、他者利益と自己利益は「一体」なんです。
具体例を一つ紹介しましょう。
ある経営者の話です。その人は、お寿司が好きで、ある職人さんのファンでした。その職人さんが「将来は独立したい」と言ったとき、経営者は「じゃあ、お金を出すよ」と言って、お店を開かせたんです。
これ、一見すると「投資」に見えますよね。でも違うんです。
その経営者にとって、大好きな職人さんが握る寿司を、もっと良い環境で、もっと多くの人に食べてもらいたかった。それが叶うことが、もう嬉しくて仕方ない。
つまり、相手のためになることが、自分の喜びになっている。
これが「他者志向のギバー」なんです。
自己犠牲じゃありません。
むしろ、自分がやりたいことを、その人を通じてやっている。
だから疲れない。むしろ楽しい。
ここがポイントです。
ギバーは、「本当なら自分がやりたいけれど、能力や資源、時間の制約があってできないので、この人にやってもらいたい」という思いで動いているんです。
つまり、自他の区別がない。
はたから見れば利他的であっても、本人はギブした時点で報われているんですね。

7. 各タイプとの上手な付き合い方
では、実生活でどう活かせばいいでしょうか。
それぞれのタイプとの付き合い方を見ていきましょう。
【テイカーとの関わり方】
テイカーの人を非難する必要はありません。
もしかしたら、過去に傷ついた経験があって、自分を守るためにテイカーになっているのかもしれません。
大切なのは、「境界線」を持つこと。
「今回はできません」
「それは私の役割ではありません」
こうハッキリ言う勇気を持つことです。
これは冷たいことじゃない。
むしろ、お互いにとって健全な関係を築くために必要なことなんです。
NLPでは「知覚位置」という概念があります。
第一知覚位置は自分の視点、第二知覚位置は相手の視点、第三知覚位置は客観的な視点。
テイカーと関わるときは、第一知覚位置をしっかり持つこと。
つまり、「自分がどう感じているか」「自分にとって何が大切か」を常に意識することが重要です。
【自己犠牲的ギバーから他者志向ギバーへ】
もしあなたが自己犠牲的なギバーだと感じたら、こう問いかけてみてください。
「これは本当に私がやりたいことだろうか?それとも、断れないからやっているだけだろうか?」
もし後者なら、それは本当のギブじゃありません。
本当のギブは、自分も満たされるものなんです。
3つのポイントがあります。
1. 「自分も大切な存在だ」という信念を育てる
人のために尽くすことは素晴らしい。でも、自分を犠牲にしてまでやる必要はない。自分が満たされているからこそ、人にも与えられる。
2. 「選択する」ということ
すべての依頼に応える必要はありません。自分のエネルギーや時間を、本当に大切なところに使う。これは自己中心的ではなく、賢い生き方です。
3. 「受け取る」ことを学ぶ
ギバーの人は、与えることは得意だけど、受け取ることが苦手なことが多い。でも、人から助けてもらうことで、相手も喜びを感じられます。受け取ることも、一つの「与え方」なんです。
【マッチャーの方へ】
マッチャーの強みは、公平性とバランス感覚です。でも、あまりにも計算高くなると、人間関係がギクシャクします。
だから、ときには「損得を考えずに与える」経験をしてみるといいんですね。見返りを期待しないで、純粋に誰かのために何かをする。
すると不思議なことに、予想もしなかったところから、思いがけない形で、良いことが返ってきたりします。
8. 今日からできる実践ワーク
ここで、実際にやってみていただきたいワークがあります。これはNLPの「リフレーミング」という手法を使ったものです。
【ワーク1:自分のタイプを知る】
目を閉じて、思い出してみてください。あなたが誰かに何かをしてあげて、本当に嬉しかった瞬間。
その瞬間、あなたは何を感じましたか?
相手が喜んでくれたことが嬉しかった?それとも、自分がそれをできたことが嬉しかった?
実は、両方なんですよね。その境界線が曖昧になる瞬間、それがギバーの瞬間なんです。
【ワーク2:動機を見極める】
次に、こう自分に問いかけてみてください。
「私がこれをするのは、返してもらうためだろうか?それとも、ただ私がそうしたいからだろうか?」
もし「返してもらうため」という気持ちが強いなら、それはマッチャーかもしれません。でも、「ただそうしたいから」という気持ちが強いなら、それはギバーです。
【ワーク3:リフレーミング】
最近モヤモヤした人間関係を一つ思い浮かべてください。その相手がギバー、テイカー、マッチャーのどのタイプか、考えてみましょう。
テイカーだと思ったら、こう問いかけてみてください。
「この人がテイカーになった背景には、どんな事情があるだろう?」
「もし自分がこの人の立場だったら、どう感じるだろう?」
これは「リフレーミング」という、物事を別の角度から見る方法です。相手への見方が変わると、不思議と関わり方も変わってきます。
【日常の意識づけ】
朝起きたとき、「今日は誰にどんな形で与えようか」と考える。でも同時に、「今日は自分をどう大切にしようか」とも考える。
職場で頼まれごとをされたとき、一呼吸置いて、「これは本当に自分がやるべきことか?」と問いかける。
誰かが困っているとき、「どうしたらこの人の力になれるか」と考えつつ、「自分のエネルギーは十分か?」も確認する。
こうした小さな意識の積み重ねが、人間関係を変えていきます。
9. まとめ:本来の自分に戻るだけでいい
ギバー、テイカー、マッチャー。
この3つのタイプの違いは、「時間軸」にありました。
テイカーは「テイク・アンド・テイクン」。
まず得ることが目的で、与えるのは手段。
マッチャーは「ギブ・アンド・テイク」。
常にバランスシートを意識して、貸方借方を合わせようとする。
ギバーは「ギブ・アンド・ギブン」。
まず与えて、時間をかけて思いがけず返ってくる。
そして、最も大切なメッセージは、
「ギバーになろうと頑張らなくていい」
なぜなら、人間は本来ギバーだから。
社会や環境が、それを覆い隠しているだけなんです。
自己利益と他者利益は、対立するものじゃありません。
むしろ、一体です。
相手のためになることをすることが、自分の喜びになる。
それが、本当のギバーの姿なんですね。
人は成熟するにつれて、テイカーからマッチャーを経て、ギバーへと自然に向かっていきます。これが、人間の成長の道のりです。
あなたは今、どこにいますか?
そして、これからどこへ向かいたいですか?
でも覚えておいてください。
頑張る必要はありません。
ただ、自分の中にある自然な優しさ、誰かの役に立ちたいという気持ち、それを素直に表現してみる。それだけでいいんです。
本当に大切なものは、時間をかけないと育ちません。
だから、意識的に「待つ」ことを大切にしてください。
すぐに結果を求めない。
すぐに見返りを期待しない。
ゆったりと、時間の流れに身を任せる。
そうすることで、本当のギバーとしての自分が現れてきます。

人生は、人間関係で成り立っています。
そして、良い人間関係を築く秘訣は、頑張ることじゃなくて、本来の自分に戻ること。
今日から、少しずつ意識してみてください。
きっと、人間関係が変わり始めます。
そして気づくはずです。
実は、あなたはずっとギバーだったんだ、って。
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【この記事のポイント】
・ギバー、テイカー、マッチャーの違いは「時間軸」
・人間は本来ギバー、頑張る必要はない
・自己利益と他者利益は一体化できる
・自己犠牲型ではなく他者志向型のギバーを目指す
・境界線を持ち、選択し、受け取ることを学ぶ
・時間的な鷹揚さを大切にする
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