「相手の世界観を尊重する」
NLPの前提はこの言葉から始まります。
NLPの創始者であるリチャードバンドラーとジョングリンダーと共にNLPの発展に寄与し、現在も最前線でNLPを牽引するロバートディルツ氏は次のようなことを言っています。 「近年、NLPは様々な周辺分野と融合され、発展してきて、何がNLPで、何がNLPでないかを判定することが難しくなってきています。一つだけ言えることは、「NLPの前提」が当てはまれば、NLPと言えるし、「NLPの前提」が当てはまらなければ、NLPとは言えないのです。」
「相手の世界観を尊重する」
現在18あるNLPの前提はこの言葉から始まります。
これはどういう意味でしょうか。
あなたは「パッチアダムス」という映画をご覧になったことはあるでしょうか?愛と笑いの力で患者を癒し、無償クリニックを設立した実在の医師を描たストーリーです。
自殺癖のあったパッチ・アダムスは、精神病院での出会いを機に医者を志します。治療に笑いを取り入れるパッチは、人々の心を次第に変えていきます。
ストーリの中で、精神病の患者さんが、現実にはいないリスを見て、トイレに行けないというシーンが出てきます。
誰の目に見てもそこにはリスはいません。どう考えても妄想・幻覚です。しかし、患者さんの頭の中にリスがいれば、現実の世界にいるものと捉えてしまうのです。 普通の私たちの反応は…。 リスなんかいないじゃないか。
なに言ってんだよ。幻覚だよ。 というものですよね。 しかし、こういう対応をすると、相手の心は「抵抗」を起こします。 その人の世界にとっては、リスがいることは「真実」なのです。
「真実」を否定されれば抵抗するのは当然です。 ---- パッチアダムスがやったことは??? ---- リスがいる相手の世界に入っていきます。 「リスがいるぞ、気をつけろ!」
そして、
リスを撃退し、「今のうちに進め!!」 と、トイレに行くように促したのです。 つまり、相手の世界観を尊重し、そこに同調して、その世界に沿って変化を起こしたのですね。
---- 「相手の世界観を尊重する」 とは----
自分と異なるものの見え方、聞こえ方、感じ方をする相手を前にしたとき、自分の世界観は一旦横に置いておいて、相手が見ているもの、聞いているもの、感じているものを同じように感じること。
その時はじめて、相手との信頼感や一体感が生み出され、ラポール(信頼関係)が築かれるということ。
相手の世界観の中に身を置き、ラポールを築き、心の架け橋をかける。
「相手の世界観を尊重する」 ということを私はこのように理解しています。